地盤改良の工法
柱状地盤改良工法
柱状地盤改良工法は、、軟弱地盤の深さが地中2~8mの場合に用いられ、住宅建設等に用いられる代表的な地盤強化工法です。
この工法では、セメントスラリーを地盤内に回転·掘進しながら吐出し、土と混合することで柱状の改良体(コラム)を造ります。
コラムの径、本数、長さ、配置は地盤条件と基礎形状に基づいて設計され、その上に住宅の基礎を構築します。支持層の有無や傾斜にかかわらず、コラムの周面摩擦力により地盤の支持力向上と不同沈下の抑制が可能となります。
柱状地盤改良工法の適応範囲
適用建築物 | 小規模建物(地上3階以下、高さ13m以下、軒高9m以下、延べ面積500㎡以下) 中規模建築物、河川築堤、護岸の基礎、道路·盛土の沈下防止、 土留め·止水壁、擁壁·看板の基礎 |
最大改良長 | 14.0ⅿ(φ400~1,200㎜) |
適用地盤 | 砂質土、粘性土 |
支持力 | 周面摩擦力、先端支持力 |
その他 | ※腐植土、ローム、㏗値が4以下の酸性土は注意が必要 |
柱状地盤改良工法のメリット
- 工期が短い
- 支持層が無い場合も施工できる
- 鋼管杭と比較して低コスト
- 狭い場所でも施工可
- 騒音や振動が少ない
木杭圧入工法
木杭圧入工法とは、木杭を地盤に圧入する工法のことです。
木杭を圧入可能な施工機械で、地盤中に無回転にて圧入し、 所定の深度まで圧入した際の、木杭先端部の支持力と周面の摩擦力によって建物荷重を支持させるものです。
軟弱粘性土地盤の改良に大きな効果を発揮します。
この工法は主に地盤改良や基礎工事に用いられる手法で、木杭を用いることで環境への負荷を低減することができます。
木杭圧入工法の適用範囲
適用建築物 | ①地上3 階以下 ②建築物高さ13m 以下 ③延べ面積1,500㎡以下(平屋は3,000㎡以下) ④高さ2m 以下の擁壁 | |
最大施工長さ | 6.0m(160mm·180mm) 12.0m(杭径120mm·杭径140mm) (Ф120mm及びФ140mmに限り不同沈下抑制を目的として、最大で施工深さ18mまで施工可能) | |
適用地盤 | 先端地盤 | 粘性土地盤、砂質土地盤、礫質地盤 |
周面地盤 | 粘性土地盤、砂質土地盤 | |
基礎底盤下地盤 | 粘性土地盤、砂質土地盤 | |
支持力 | 周面摩擦力、先端支持力 |
木杭圧入工法のメリット
- 土質を選ばないため、腐植土のある地盤でも施工可能
- 工期が短く、杭径が小さいことで、残土をほぼ排出しない
- 60年の耐久性
- 土壌汚染の心配がない
- CO2の大幅な削減に寄与
小口径鋼管回転圧入工法
小口径鋼管回転圧入工法とは、小口径鋼管の先端部に取り付けた羽根や掘進刃を回転させて地盤に貫入させ、支持層まで到達させる工法です。
地盤と鋼管の複合作用により支持力を増加させ、沈下の防止を目的としており、住宅基礎等で、支持層が深い場合や傾斜が見られる際に特に適切な工法です。
比較的低振動で騒音も少なめで、地盤条件の制約が少なく、土質の制約を受けない、施工機械も比較的小型の物での施工が可能といった特長があり、一般住宅の補強工事にも適合性の高い工法といえます。
健基興業ではそれぞれのタイプが異なる、ストレート型、拡底翼型を利用しており、状況に応じたサポートを提供することが可能です。
小口径鋼管杭回転圧入工法の適用範囲
適応土質 | 砂/砂礫地盤:N値15以上(動労橋示方書に準拠する場合N値30以上) 粘性土地盤:N値20以上 | |
適用径 | Φ89.1mm~139.8mm | |
支持層への根入れ | 原則として杭径以上 | |
鋼管材質 | 一般部 | STK400、STK490、SKK400、SKK490を標準 |
先端部 | STK400、STK490、SKK400、SKK490、SCW480を標準 | |
羽根径比(羽根径/杭径) | 杭径2.0倍、2.5倍を標準(但し道路橋本体構造以外に用いる場合は2.5倍) | |
羽根材質 | SS400、SM490A、SCW480を標準 | |
杭長 | 杭径の130倍程度以下 | |
斜杭 | 傾斜10°程度以下 |
小口径鋼管杭回転圧入工法のメリット
- 地震などによる液状化の影響を受けにくい
- 騒音や振動が少ない
- 掘削排泥が発生しない
- 工期が短く、1~2日程度で工事が終わる
- 土質の影響を受けず固化不良の心配がない
- 簡単に完全撤去可能
CPP工法
CPP工法は、先端翼の付いた単管パイプを原地盤と組み合わせて使用し、原地盤と単管パイプの両方で支え、地盤の支持力を強化する工法です。
先端翼のみを地中に押し込み、細い鋼管を翼に結合させて設置することで、鋼管に回転力がかからず、破損のリスクが低減し、従来より細い鋼管で施工可能です。
セメント工事と同等のコストを維持しつつ、建設残土を一切出しません。
また、簡単に撤去できるため、建替えや土地売却時にも柔軟に対応できます。
CPP工法は材料ベースで従来のセメント工事と比較して二酸化炭素の排出量を70~90%削減し、環境負荷を大幅に軽減しながら土地の持続可能性にも貢献しています。
健基興業はCPP工法協会の施工代理店です。
CPP工法の適用範囲
適応土質 | 基礎下2.0mの平均Wsw≧0.5kNの粘性土·砂質土 |
対応基礎形状 | ベタ基礎 布基礎に対応 |
適応建物 | 三階建て以下の小規模建築物 |
日あたりの施工量 | 6mで日あたり40本程度(杭長、土質によって左右されます) |
対応杭長 | 2.0~7.0mまで(0.5m刻み) |
CPP工法のメリット
- 高い補強効果
- 低コスト
- 環境負荷が小さく、工事の小型化・短工期化
- 住宅以外の商業施設や公共インフラにも適用
- 簡単に完全撤去可能